“メガネ業界のアカデミー賞”ともいわれている「SILMO D’OR(シルモドール)2024」のノミネート製品の中から、最も優れた製品を選出するシルモドールの受賞イベントが、2024年9月21日(土曜日)にパリ市内で開催され、シルモドール2024のグランプリ製品が発表されました。
残念ながら日本からの出展企業やブランドのグランプリ受賞はありませんでした。
各部門のグランプリ受賞製品は、次のとおりとなっています。
なお、ノミネート製品については、前回の弊社ネットニュースで紹介しておりますので、そちらの記事をご参照ください。
(https://theeyes.jp/eyewear_news/index.php/2024/09/12/eyewear/2098/)
■Children(子ども用部門)
▽ブランド(企業)名:Lafont
▽製品名:Roudoudou
小児用眼鏡のスペシャリストであるLafontは、今回初めて未熟児用に設計されたモデルを発表。
受賞モデルのRoudoudouは、未熟児のために特別に開発され、サイズと形状も調整されています。
フレームには、ヒマシ油をベースとしたバイオ素材を使用し、射出成型により製作されています。
■Sport(スポーツ部門)
▽ブランド(企業)名:Out Of
▽製品名:Acuity
Acuityは、非常に幅広い視力問題を矯正することができ、重さや視野を犠牲にすることなく、これまでにないクリアな視界を提供します。
Acuityの高精度にカットされたレンズは、その革命的なデザインの中核を成しています。
市場の標準とは異なり、Acuityの眼鏡レンズは塊から削り出す切削加工により、正確で均一な視力問題の矯正と最高の性能を保証します。
■Vision(視覚部門)
▽ブランド(企業)名:Transitions Optical
▽製品名:Transitions® GEN S™
Transitions® GEN S™は、光に超反応する初のダイナミックレンズ、眼鏡光学に革命をもたらします。
保護性能、視覚性能、審美性を兼ね備え、あらゆる光の条件に適応します。
その革新的なコンセプトは、鮮やかな色だけでなく、さまざまな動きに連れてかかる力と、レンズの明暗レベルの最適化を実現します。
臨床的に検証されたこのレンズは、最適な日常装用のための度付きレンズの基準となるでしょう。
■Low vision(ロービジョン部門)
▽ブランド(企業)名:Accessolutions
▽製品名:VoiSee
VoiSeeは、近視と遠視の両方に対応した、視覚障害者のための革新的な視覚補助具です。
VoiSeeは、片目に装着する電子単眼鏡で、簡単な操作で画像の拡大、文字の読み取り、画像の静止、コントラストなどの設定ができます。
軽量で超コンパクトなデザインなので、持ち運びが便利で、片手で使用できます。
■Material / equipment(素材・機器部門)
※2製品が同点受賞
▽ブランド(企業)名:Eyesoft
▽製品名:Check Lenscape
EYESOFT社は、バーチャルリアリティと視線追跡を利用して、革新的な視力検査ソリューションを提供するフランスのパイオニア企業です。
Eyesoft Check Lenscapeは2つの主要機能を持ったアプリケーションです。
Checkは両眼視覚障害を検出し、視覚疲労のリスクを評価し、調整力を高めます。
Lenscapeはレンズ形状、色合い、偏光レンズのシミュレーションに役立ちます。
▽ブランド(企業)名:MicroUnit
▽製品名:Lona 5
Lona5は、アイウェアのデザインと製造を行うソフトウェアです。
その特長は、取り扱いが簡単なダウンストリーム型のデータ取得により、デザインの知識がなくても誰でもこのソフトウェアにアクセスできます。
またLona5は、特別な技術を必要とせず、簡単なクリックでCNC上の製造プログラムを取得し、確認することができます。
■Optical frame “Labels”(メガネフレーム レーベル部門)
▽ブランド(企業)名:Nina Ricci(De Rigo Vision)
▽製品名:SNR403 couleur 7G6
アイコニックなヴィンテージシェイプのオーバーサイズ・アセテートメガネ。
幾何学的なテンプルが丸みを帯びたフロントとのバランスをとり、過去と現在が融合したモデル。
アイコニックなグログランモチーフが内側に見え、ニナ・リッチのレタリングロゴが左テンプルにあしらわれています。
ジャクリーン・ケネディが着用したニナ・リッチのアイコニックなモデルからインスパイアされたニュアンスカラーのバリエーション。
■Sunglasses “Labels”(サングラス レーベル部門)
▽ブランド(企業)名:Zilli(Grosfilley France)
▽製品名:ZI65109 C01
Zilliフレームは、ブリッジとテンプルにグレインレザーを一部にあしらい、ゴールドのチタンがアクセントになっています。
非常にソフトで軽く、フレックスヒンジが内蔵されているため、完璧な適応力を発揮します。
■Optical frame “eyewear designer”(メガネフレーム アイウェアデザイナー部門)
▽ブランド(企業)名:Pierre Eyewear
▽製品名:Lady
男性用のアセテート・フレーム。
■Sunglasses “eyewear designer”(サングラス アイウェアデザイナー部門)
▽ブランド(企業)名:Prodesign
▽製品名:Censur
CENSURは、従来のアイウェアデザインの限界を押し広げるため、ルールにとらわれない社内デザインセッションから生まれました。
自由な発想と、遊び心に満ちた幾何学的な形とすっきりとしたラインから生まれたCENSURは、限りない創造性の証です。
薄いシート構造がデザイン全体に巧みに見られ、この彫刻的なアイウェアに深みと奥行きを与えています。
CENSURは、デザインに限界はないことを証明しています。
■Technological innovation in eyewear(アイウェア技術革新部門)
▽ブランド(企業)名:OOmade
▽製品名:OOmade SAV 3D
OOmadeは、特許を取得した3Dプリンティング・ソリューションにより、礼儀正しいフレーム、万一壊れてもすぐ直していつも端正な姿を保つというコンセプトを見出しました。
OOmadeは3Dソフトウェア・プラットフォームを開発し、3Dプリンターを提供することで、壊れたフレームを顧客の目の前で数分で修理することを可能にしました。
フレームは生物由来のリサイクル可能な素材から作られています。
眼鏡店は、競合他社とは一線を画すプレミアムサービスを提供できるようになり、この3Dアフターサービス・ソリューションは、店舗での顧客のサービス体験に革命をもたらします。
■Technological innovation in eyewear – Connected Products(アイウェアの技術革新 – コネクテッドプロダクツ部門)
▽ブランド(企業)名:EssilorLuxottica
▽製品名:RayBan Meta avec IA
Ray-BanとMetaのパートナーシップによる次世代スマートグラスで、2024年10月よりAI機能をより強化します。
レイバンのアイコニックなスタイルのこのメガネは、視覚矯正と保護に加え、ユーザーが常にオンライン状態で、人生の様々な瞬間をシャッターで捉え、デジタルコンテンツを消費することを可能にします。
AIが、ユーザーの目に入るものが何かを判別し、日常生活をサポートし、テクノロジーを、メガネをかけるくらい簡単に享受できるものにします。
■審査員特別賞
▽ブランド(企業)名:PARASITE DESIGN
▽製品名:MORPH Alpha
MORPH alpha – Clara Besnardは、未来派アイウェアブランドParasite(パラサイト)とヴィンテージ眼鏡店Bidules(ビデュール)の工房から入手したスペアパーツとオールドストックのみで作られたフレーム。
アーティストでありデザイナーでもあるClara Besnardは、パラサイトのMORPH V01(2003年製)を第一のルーツとし、1970年代から80年代のアセテートテンプルとフロントを第二のルーツとして、MORPH1を触手や触角のような形状に手作りしました。
■CSR企業賞
※2企業が受賞
▽企業名:SKANS社(デンマーク)
▽企業サイト:https://skans.com/
SKANS社が選出されたのは、アイウェアの消費をスローダウンさせることを目的としたミニマルなアプローチが評価されたからです。
タイムレスなフレームは、新品のときだけ発売してリニューアルの必要性を減らペアパーツを用意し、オンデマンド生産で過剰在庫を避けるなどの取り組みを行っています。
同社はまた、フレームのライフサイクル全体を考慮しし、タイムレスなパッケージ(多くの場合印刷なし)はデザイン変更の必要性を制限。
全モデルに同一のスペアパーツを用意し、オンデマンド生産で過剰在庫を避けるなどの取り組みを行っています。
また同社は、フレームのライフサイクル全体を考慮したアプローチも示しており、たとえば、リサイクルを最大化するために、単一素材(ノーズパッドを含む100%ステンレススチール)から作られている。
▽企業名:VANNI社(イタリア)
▽企業サイト:https://www.vanniocchiali.com/
2021年にアイウェア業界で初めて「Società Benefit」(イタリア語で「ミッションを持つ企業」に相当)に認定されたVANNI社は、社会的な面でも、環境的な面でも、CSR(企業の社会的責任)の成果を、数値と実践で監視する能力を実証しています。
同社は、さまざまな分野での業績を従業員に(アンケートで)評価させることまで行っています。
VANNIの全従業員が、持続可能な開発に関する研修モジュールを受講しています(従業員1人当たり5~22時間の研修)。
2023/2024年、同社は組織心理学者の指導の下、各人の役割と責任をより明確に定義し、従業員のニーズに対応するため、社内組織再編を実施しました。
特にVANNIは地元に根ざし、トリノ市とピエモンテ州の数多くの地元団体を支援しています。
また、開発から出荷までのライフサイクルアセスメントによって、同社は製品が環境に与える影響を抑えるために、多くの調整を実現してきました。
なお、今回のシルモドール2024の結果については、下記のURLで確認することができます。
■シルモドールの結果(英語ページ)
https://www.silmoparis.com/en/silmo-awards/silmo-or/laureats