株式会社 日経BP(本社:東京都港区、 社長:吉田直人)のマーケティング&イノベーション専門メディア「日経クロストレンド」は、新市場を創造した人や画期的なビジネスモデルを構築した人をたたえる「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023」を、2023年10月2日に発表しました。
大賞は、「スープストックトーキョーー同•松尾真継代表取締役社長」が受賞。
また、優秀賞に選ばれた受賞者の中には、ジンズホールディングス・取締役副社長の田中 亮氏も含まれています。

日経BPではあらゆる媒体が、業界の第一線で活躇する人や企業をたたえるアワードを開催しており、「マーケタ ー ・オブ・ザ・イヤー」もその一環となっています。

今回で6回目となる「マーケター・オブ・ザ・イヤー」は、原則として22年9月から23年8月までに発売された、商品やサービスで結果を残した人物、あるいはそれ以前の発売でも同期間に目覚ましい成果を上げた人物が対象となっています。
「マーケティングの力で消費者や社会に『前向きな変化』をもたらしていく」という日経クロストレンドのビジョンに資する賞として、今回、評価基準を「志」「便益」「挑戦」「継続性/再現性」という4つに刷新しています。
これを基に、外部審査員と編集部による選考を経て受賞者が選出されました。

今回選出された受賞者は以下の通りです。

【「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023」受賞者】
■大賞

●ビジネス名:スープストックトーキョー
○受賞者:スープストックトーキョー一同、代表取締役社長:松尾 真継氏
▽受賞ポイント
2023年4月に勃発した、スープストックトーキョーの「離乳食Twitter(現X)騒動」。
同社スタッフ一同、および松尾社長は、賛否両論あふれる中でも「世の中の体温をあげる」という企業理念を貫き、批判的な意見に対しておもねることなく離乳食無料サービスを拡大した。
自社のブランドの存在意義を見失うことなく、顧客と真摯に向き合う姿勢が、特に「志」の評価項目で得点を伸ばした。

(撮影/山田愼二)

  

■優秀賞
●ビジネス名:chocoZAP(チョコザップ)

○受賞者:RIZAPグループ 代表取締役社長:瀬戸 健氏
▽受賞ポイント
瀬戸氏が手掛けた格安フィットネスジム「chocoZAP」は、22年7月のサービス開始から、わずか13カ月で国内フィットネスジム業界における会員数1位を記録。
着替えずに運動できたり、エステマシンなど運動以外のサービスを充実させたりすることで「運動無関心層」を取り込み、新たなフィットネス市場を切り開いた。
新市場の創出を意図して、運動無関心層というフィットネスジム業界が対象としていなかった層へアプローチする「挑戦」が光った。

(撮影/竹井俊晴)

 

●ビジネス名:京の米老舗 八代目儀兵衛
○受賞者:八代目儀兵衛 代表取締役社長:橋本 儀兵衛氏
▽受賞ポイント
橋本氏は、京都の老舗米店「八代目儀兵衛」を率いる。
コンビニ最大手のセブン‐イレブン・ジャパンと協業し、おにぎり商品を監修、23年3月に発売された。
これまで「おいしいおぎにり」の基準は、のりの品質や中身の具材などの差別化による勝負だったが、「米がおいしい」というど真ん中の価値で切り込み、コンビニおにぎり市場を再創造する大きな「挑戦」に打ち勝った。

(撮影/太田未来子)

 

●ビジネス名:YOLU(ヨル)
○受賞者:I-ne 執行役員プロダクトマネジメント本部:藤岡 礼記氏
▽受賞ポイント
藤岡氏は、大手企業をしのぎドラッグストア市場のヘアケアカテゴリーでメーカーシェア1位(単月販売金額ベース)になったI-neで、「YOLU(ヨル)」を手掛けた。
シャンプー・リンスカテゴリーにおいて、ナイトリペア(寝ている間に髪をケアできる)という独自の「便益」を生み出し、大ヒットとなった。
「商品をどう売るか」ではなく、売ることで何を実現したいのか。
商品の存在意義から考えることで、独自の便益を持つ商品を生んだ。

(撮影/竹井俊晴)

 

●ビジネス名:meliordesign(メリオールデザイン)
○受賞者:DG TAKANO 代表取締役:高野 雅彰氏
▽受賞ポイント
高野氏は、「水洗いだけで汚れが落ちる」という新規性の高い食器を生み出した。
同社は業務用の節水ノズルを開発してきたメーカーで、日々の生活の中で無意識にSDGs(持続可能な開発目標)につなげたいという「志」を持つ。
消費者ニーズが顕在化している節水など水回りの改善にとどまらず、「洗剤いらず」の領域にまで踏み込んだ点が評価を集めた。
同氏は、「世界の水不足解消」という目標に向け、海外企業とコラボする前提で「継続/再現性」を強く意識したブランドづくりを行っている。

(撮影/古立康三)

 

●ビジネス名:JINS SAUNA(ジンズ サウナ)
○受賞者:ジンズホールディングス 取締役副社長:田中 亮氏
▽受賞ポイント
田中氏は、かけたままサウナに入っても曇りにくい眼鏡「JINS SAUNA」を開発。
サウナや風呂でも相手の顔を見てコミュニケーションを取りたいというニーズを捉え、同商品はJINSの全新作アイウエアの中で、23年上半期の総売り上げが30~40代で1位(金額ベース)となった。
この独自の「便益」を持った眼鏡が登場することで、実は「サウナを愛する人たちにとって、サウナは『社交場』である」という深い消費者インサイトを見いだすことにつながった。

(撮影/古立康三)

 

 

【外部審査員5人(順不同。カッコ内は、社名、肩書)】
外部審査員は以下の5人です。
本年より、アジア最大級のマーケティングの国際カンファレンス「ad:tech tokyo(アドテック東京)」を主宰する、Comexposium Japan(コムエクスポジアム・ジャパン)株式会社(本社:東京都港区)の古市優子代表取締役社長を新たに審査員に迎えています。
▽音部 大輔氏(クー・マーケティング・カンパニー、代表取締役)
▽鹿毛 康司氏(かげこうじ事務所、代表 ・クリエイティブディレクター)
▽富永 朋信氏(プリファード・ネットワークス、CMO)
▽入山 章栄氏(早稲田大学大学院経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール教授)
▽古市 優子氏(Comexposium Japan、代表取締役社長)

  

【評価基準について】
昨年までは以下4つの基準で評価していましたが、本年からは消費者への深い理解を第一に、企業の根幹とも言える「志」を持って本質的なマーケティングに取り組んだ企業を選出するべく、評価基準が刷新されました。

■昨年までの評価基準
▽新規性(商品やマーケティング手法、ビジネスモデルに画期的な着眼点や工夫があったか)
▽市場創出力(従来にはない市場を創造したか。価値を深めて新たな競合と接触し、価格の向上につなげたか)
▽影響力(商品やサービスの利用者数、ソーシャルを含めた話題性の広がり、利用頻度、満足度に加え、ライフスタイルや社会への変革力があったか)
▽売れ行き(一定の販売数量・額をクリア。あるいは潜在顧客を獲得したか)

■本年からの評価基準
▽志(その企業・ブランドの理念や志、消費者理解を第一とする真摯な姿勢を感じさせる活動であるかどうか)
▽便益(正しい消費者理解をベースに本質的な価値、「独自の便益」を提供できているかどうか)
▽挑戦(市場創出を意図した新たな視点、メソッド、テクノロジーの導入など、「挑戦」があるかどうか)
▽継続/再現性(一過性ではなく、社会や消費者のライフスタイルに継続的で前向きな変化をもたらすものかどうか)

なお、今回受賞したマーケターに関する記事が、10月2日に公開された日経クロストレンドのWebサイトに掲載されています。
■マーケター・オブ・ザ・イヤー2023
 https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00896/

  

 

【マーケター・オブ・ザ・イヤー2023の受賞者らが「ad:tech tokyo」に登壇】
「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023」の受賞者および審査員と共に、日経クロストレンド編集長・勝俣哲生氏が「ad:tech tokyo」に登壇し、「マーケター・オブ・ザ・イヤー2023 受賞者&審査員が語るマーケットの創造とマーケターの資質」と題してディスカッションを行います。
▽開催日:2023年10月20日(金) 11:30~12:10
▽場所:東京ミッドタウン&ザ・リッツ・カールトン東京
日経クロストレンドの有料会員は、10月2日および10月10日に公開される大賞インタビュー記事に記載されている専用URLから参加パス(ビジターパス)を無料で入手できます。

 

 

【日経クロストレンドについて】
「日経クロストレンド」は、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供するデジタルメディアです。
デジタル・テクノロジーの進化などで様変わりする企業の新商品開発、マーケティング戦略、事業戦略の最前線をデータと実例を基に詳報。
「売れる商品」「サービス開発」の勘所を解き明かします。
対象は企業の経営企画、新事業開発、商品企画・開発、システム、マーケティング、営業、顧客窓口など幅広いビジネスパーソンで、Web・スマホサイト、スマホアプリを中心に発信しています。

■日経クロストレンド
 https://xtrend.nikkei.com/